会務NEWS Vol.658
会員 垣田 貢仁子
去る2026年8月1日、大津市の旧大津公会堂にて、表題の研修が実施されました。この研修は、⑴株式会社ジェイ エイ シー リクルートメントのエグゼクティブディビジョンコンサルタントの嶋岡正剛氏によるセミナー「社外役員の市場について」、⑵同人と社外役員経験者の滋賀弁護士会西川真美子会員、京都弁護士会古家野晶子会員、日本公認会計士協会京滋会中田英里会員によるパネルディスカッション、⑶登壇者への質疑応答、によって構成され、各会の会員総勢31名が受講しました。
⑴のセミナー冒頭では、現役の社外役員がどれだけ参加されておられるのか質問が投げかけられ、受講生の中から4人ほどが挙手されていました。受講者の多くがこれからの社外役員就任を目指して参加されており、会場内にはポジティブな雰囲気に包まれていました。京都弁護士会では日本公認会計士協会京滋会との共催で、2025年1月に「女性弁護士&女性公認会計士のための社外役員セミナー」を実施していますが、同セミナー以降の社外役員市場の動向変化や、京都府や滋賀県を中心とした近畿各県の上場企業の動向といった具体的な地方事情などが今回のセミナーに盛り込まれており、前回参加された会員も新しい情報を得ることができました。
特に、近年急拡大を続ける社外取締役市場でも、単に社外役員数を増やす段階から、登用人材の能力や資質を問う段階へ移行しているとの嶋岡氏の説明は、弁護士や公認会計士が自身の能力をどのようにアピールしていくのか、また企業の求める専門性や知識がどのような分野であるかという、今後のキャリア形成に直結する具体的なアドバイスを含むものでありました。
続く⑵のパネルディスカッションでは、各パネリストの奮闘振りが伺え、とても面白く聞きごたえのある内容でした。土木建築系の滋賀県内の上場企業の現役社外役員で、パワフルさが溢れ出ている西川弁護士、世界的大企業である京セラの社外役員経験者である古家野晶子弁護士、複数の上場企業の社外役員を兼任し終始穏やかな中田公認会計士という三者三様の経験者が、それぞれ、役員業務の内容や、その取り組み方、日常業務(弁護士の場合はマチ弁業務)との違いや相互に活かす視点をお話しくださいました。特に、「士業業務の経験からくる法令順守、規範意識、独立意識が社外役員としても活きるスキルである」、「経営者の視点や考え方に触れることや現場の大変さを実感することがマチ弁業務にも活きる」などというパネリストからのアドバイスは、日常業務と社外役員業務が地続きであり相互に好影響を与え合うものであるということを強く印象付けるものでした。後述する懇親会でも、「これまで自分には社外役員就任は遠い話、他人事だと感じていたが、パネリストのお話を聞いて、自分とも地続きのことであると感じた」といった感想を述べる参加者が多数おられました。受講者の社外役員挑戦に対する心理的ハードルが下がったと思われます。
研修後、場所を移して、28名もの参加者による懇親会が開催され、所属会・資格の垣根を越えた活発な意見交換や温かい交流が行われ、非常に有意義な共同イベントとして幕を閉じました。
今回の研修・懇親会は、地方会でも男女問わず士業の社外役員就任が増え、男女共同参画が進み、弁護士・公認会計士の業務(活躍)範囲も拡大していく、という動向の大きな後押しになったと思います。このような活動は継続し続けていくことが大切であると考えますので、ぜひ今後も様々な形で企画いただければ幸いです。