2026年度第2回常務理事会及び第3回理事会
会長 谷口 直大
第2回常務理事会
【日時】
2026年6月18日(木)
午前10時00分~午前10時30分
【場所】
弁護士会館17階大会議室(1701)
【審議事項】
- 懲戒審査請求の件
各弁護士会から申請された、会則・規則等の変更(計49件)について審議が行われました。日弁連調査室における整合性の点検や、従来的な慣行・文言の点検がすべて完了しており、修正すべき点についてはすでに各弁護士会において修正がなされた旨が報告され、全件について承認されました。
- 弁護士名簿登録請求の件
弁護士登録請求について審議が行われました。登録日について希望のあった方々および本日付での登録希望者について、それぞれの請求を容認することが決定されました。
- 弁護士名簿登録請求の件
- 弁護士法第4条に該当する者からの登録請求の件
弁護士法第4条に該当する者からの登録請求について審議が行われました。対象者のうち、資格審査会に付されることとなったS氏を除く登録請求者について、それぞれの請求を容認することが決定されました。S氏については、慎重な審査を行うため、登録手続きを資格審査会に移す決定がなされました。
- 弁護士法第5条又は第6条に該当する者からの登録請求の件
司法省特例法や現行法改正により法務大臣の認定を受けた、弁護士法第5条または第6条に該当する者からの登録請求について審議が行われました。対象者2名について、欠格事由や登録拒否事由に問題がないことが確認され、本日付での弁護士名簿への登録容認が決定されました。
【報告事項】
- 懲戒審査請求の件
第一東京弁護士会などからの審査請求(計7件)についての報告です。担当主催理事において的確な整理および決済が完了し、規定の日付で綱紀(懲戒)委員会に対して審査の請求を行った経緯が、その詳細な一覧資料とともに報告されました。
- 懲戒処分の効力停止の申立ての件
第1回理事会における会長一任議決に基づき、懲戒委員会の結論を尊重する形での報告がなされました。会員からの効力停止の申立てについて、慎重な検討の結果、2026年6月10日付で申立てを却下する決定を行った経緯と結果が報告されました。
- 連合会被告事件に関する報告の件
令和8年6月9日現在の連合会被告事件の訴訟継続状況等が報告されました。前月からの変更点として、裁決取消請求が13件、懲戒処分等取消請求が1件、その他損害賠償請求事件等が13件あり、判決確定に伴う新規上告、新規提起等の進捗が調査室から報告されました。
- 弁護士名簿登録等処理の件
2026年4月中および5月中の弁護士名簿処理実績が報告されました。4月中は登録793名(うち78期生727名)、5月中は登録29名(うち78期修習生16名)であり、その他の登録取消状況や、氏名の職務上使用許可に関する詳細な数値資料が報告されました。
- 外国法事務弁護士名簿登録等処理の件
2026年4月中および5月中の登録等実績が報告されました。4月中の登録4名、登録取消5名、5月中の登録0名、登録取消1名であり、詳細および職務上の氏名使用許可(旧姓・通称等の利用等)についての対応実績が報告されました。
- 職務上の氏名の許可申請の件
弁護士名簿登録等処理に関連し、職務上の氏名の使用許可申請に関する報告が行われました。
- 弁護士法人、外国法事務弁護士法人及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人の届出に関する報告の件
各法人の成立・解散・変更等に関する処理状況が報告されました。4月中の弁護士法人成立・解散届1件、変更届247件、5月中の成立4件、解散1件、清算結了1件、変更82件が受付され、その他の法人に関する届出はなかった旨が報告されました。
- 外国法事務弁護士となる資格の承認及び特定外国法の指定に関する意見の件
外国法事務弁護士の資格承認および特定外国法の指定に関して、法務大臣に意見を提出した件が報告されました。対象者について、外弁法第12条に規定する承認要件や同第17条に規定する指定基準を満たしており、それぞれ承認・指定相当と判断し提出した旨が共有されました。
第3回理事会
【日時】
2026年6月18日(木)
午前10時45分~午後5時
2026年6月19日(金)
午前9時30分~午後3時30分
【場所】
弁護士会館17階大会議室(1701)
【審議事項】
- 新人弁護士等養成事務所養成支援補助金の返還免除の件
弁護士法人あさかぜ基金法律事務所からの補助金返還免除申請について審議されました。被養成弁護士が地方公設事務所等に3回以上応募しましたが採用されなかったことが確認され、免除基準に合致するため全額返還免除が承認されました。不採用の理由は本人の責に帰すべき事情ではなく受け入れ側の枠の都合等であり、養成事務所側の尽力には問題がなかったことが確認されました。審議では、弁護士不足地域での活動を希望する者が3回不採用となった背景について質問があり、養成事務所による十分な指導と本人の就業意欲があった一方で、受入側の定員等の地域的事情が競合した結果であることが明確化され、承認されました。
- 令和6年能登半島地震災害対策本部設置要綱中一部改正の件
災害対策本部の設置期間を令和8年12月31日まで半年間延長する要綱改正が審議され、承認されました。発災から2年半が経過し被災者相談は減少傾向にありますが、復興に伴う現地相談の必要性は継続しており、金沢弁護士会等の現地体制維持と、他会・ブロックとの連携による継続的な精神的支柱を果たすべく、日弁連一般会計からの繰入れを含めた支援維持方針が承認されました。また、周辺会や各ブロックによる支援体制の円滑な移行・後片付けを行う期間としての重要性も併せて確認されました。
- 綱紀審査会予備委員の委嘱の件
綱紀審査会予備委員のI氏(日本経済団体連合会)が2026年6月3日付で辞任したことに伴い、後任としてI氏(日本経済団体連合会常務理事)を予備委員として委嘱する件が審議され、承認されました。任期は前任者の残任期間(2028年3月31日まで)となります。なお、本委嘱手続きは、2025年6月13日開催の定期総会決議に基づき、理事会に委嘱決定が一任されているものであることが説明され、承認されました。
- 公設事務所協定終了の件
長崎県平戸市における公設事務所(飛鸞ひまわり基金法律事務所等)の設置協定終了に関し、規定の契約または協定の円滑な終了手続きが審議され、承認されました。地方の過疎地域における法的サービスの確保状況に配慮しつつ、後任や地域司法の安定的な維持に向けた体制が十分整備されたことを受けて、円滑な終了プロセスを踏むことが確認されました。
【要請事項】
- 「全事件の取調べの可視化・取調べの立会い」に関する取組の件
刑事司法改革に関し、取調べ可視化の拡大および取調べ立ち会い制度化に向けた運動への要請です。地方会が主催するシンポジウム開催(補助上限20万円)や、地方議会・国会議員、自治体首長への積極的な要請活動の実施が求められました。議事において、他会より議長面談等の好事例や要請アドバイスが求められました。また、オンライン接見や可視化と立ち会いの並行推進、優先順位の整理など多角的な議論が交わされ、運動を全国的に活性化し可視化「元年」とするべく引き続き検討し、継続審議することとされました。
- 弁護士業務におけるマネーロンダリング対策の件
マネロン対策のための年次報告書提出状況等に関する要請です。5月31日時点での提出率は62.2%(前年同期59.5%から微増)でした。未だ目標の100%には達しておらず、提出期限の6月30日に向けて、各地方会における未提出会員への個別フォローおよび督促の徹底が要請されました。
- 中小企業の国際業務支援に関する研修会の件
各地方における中小企業の海外展開等の国際業務に対応できる若手弁護士の育成や、研修会開催への協力要請です。中国連管内での合同オンライン開催など他会・ブロックとの共同研修の有用性が示されました。地方会が単独で専門的な研修会を開催することのマンパワー不足や負担について意見がありました。これに対し、日弁連としては有志の勉強会や、継続的な地方開催の取り組みに対し、講師派遣やノウハウ提供などのサポートを継続して行い、会員が関与する機会を広げる事実上の支援を強化するとのことです。
- 若手会員の公益的活動等に関する支援制度に関する件
若手チャレンジ制度の周知および活性化に関する要請です。申請件数の増加に伴う日弁連財政(一般会計の赤字継続等)および事務局の確認作業負担を考慮し、本年度から研修・学習支援の対象を73期~77期の会員に絞る運用に変更した旨が報告されました。各理事はテンプレートを活用し、若手会員に向けて速やかに当該制度の案内・周知を徹底するよう求められた。
- 若手弁護士支援策に関する件
若手会員向け各種支援策(ベビーシッター利用サポート、見学費用補助等)の一覧チラシの配布および各会での周知要請です。昨年度実施されたカンファレンスにおいて、若手から「制度を知らなかった」との声が多数寄せられたことを踏まえ、効果的な周知が求められました。見学実績と制度趣旨のミスマッチ解消に向けた基準設定の検討や、育児支援の使い勝手の向上に向けた見直しに、若手の声を反映していくよう意見交換が行われました。
- 第24回弁護士業務改革シンポジウムの件
本年9月5日に福岡で開催予定の第24回弁護士業務改革シンポジウムについて、申込者数が低調である現状を踏まえ、パンフレット等の積極的な配布および各地方会における周知促進、参加申し込みの強力な推奨が要請されました。申込期限は7月31日となります。
- 判事補・検事の弁護士職務経験(弁護士任官)の受け入れ等に関する件
来年4月からの第22期弁護士職務経験(弁護士任官制度に基づく裁判官・検察官の受け入れ)に関し、最高裁から約13名、法務省から約4名の受入予定者が示されたことを受け、地方の各法律事務所が積極的に受け入れ側として応募・登録するよう、各地方会での周知徹底が求められました。元裁判官の中村弁護士任官推進センター委員長より、自身の経験を交えながら、本制度が法曹三者の相互理解と司法全体の活性化にいかに貢献しているかが強調されました。
- 預かり金口座の届け出状況に関する照会の件
預かり金口座の届出義務化に伴う、各地方会における現時点の登録・届出推進の要請です。実務上、顧客個別の分別管理口座開設を希望しても銀行側から開設を拒否される支障がある点について、全銀協レベルでの交渉や、各銀行の対応実態の調査を進めて協議会等で対策を検討していく方針が示されました。また、他会よりは、弁護士会証明書の銀行への提示効力向上などの要望が示されました。
- 日本弁護士国民年金基金から要請の件
弁護士国民年金基金への加入勧誘および周知について、各地方会への協力が要請されました。老後の生活設計における基金の重要性が説明され、特に対象となる若手会員に向けた制度案内の徹底が求められました。また、高齢期における経済的安定や老後リスクへの事前対策の必要性について、基金が独自に作成したチラシや加入のご案内パンフレットを効果的に活用し、各弁護士会の総会や研修、会内広報を通じて会員に周知を図る実務上のアプローチについて依頼がなされました。
- 弁護士実勢調査の実施の件
年1回実施している全会員対象の弁護士実態調査に関し、回答率向上のための周知・協力要請です。前回(2023年)の総回答数2336件を上回る回答を回収するべく、回答方法(Web入力のほか郵送等も可能)や、回答しづらかった項目(時間配分割合の入力等)の設問見直しなど、負担軽減への取り組みが紹介されました。各理事に対し、自ら回答するとともに各会での周知を依頼されました。
- 「旧統一教会に対する債権申出のための110番」の件
旧統一教会の清算手続き開始および債権申出期間設定(本年5月20日から1年間)に伴う取り組みです。8月28日に全国一斉電話相談会「110番」(フリーダイヤル設置)を日弁連・各地の弁護士会共催で実施するため、すべての地方会における相談窓口設置および相談担当弁護士の体制構築への強い協力要請がなされました。高齢者など情報にアクセスしにくい被害者へ情報を届けるため、地方マスコミ等とも連携した広報要請、および受任の際の弁護士会仕組みの活用が要請されました。
- 会員の個人情報の取扱いに関する件
大阪弁護士会において、子供の権利委員会のメーリングリストを通じて会員の非公開個人情報が流出する事案が発生したことが報告されました。事務局のExcelファイルにおいて、非表示の別シートに自宅の住所や生年月日などの個人情報が残った状態で、委員の弁護士に送信され、さらにメーリングリストに転送されたことが原因です。同様のインシデントは過去に京都(2022年度)や愛知(2024年度)でも発生しているため、各弁護士会に対し、データ抽出時の不要データの即時消去や、新規ファイルへのコピー、さらには添付送信を避けて日弁連の共有リンクを活用するなどの、再発防止策と注意喚起の徹底が強く求められました。
【報告事項】
- 会務報告の件
石原副会長より会務活動が報告されました。憲法記念日の会長談話の発信やその反響、大規模事務所出身としての若手就職問題への取り組み、各種シンポジウム等への参加状況など、多岐にわたる執行部の活動が共有されました。また、大阪弁護士会におけるメーリングリストを通じた個人情報漏洩インシデントについて報告がなされ、過去の京都(2022年度)や愛知(2024年度)におけるExcelの別シート消し忘れと同様のパターンであることが判明したため、再発防止のために各会での管理体制の再点検と注意喚起が強く求められました。
- 会長声明・談話発表の件
4月30日から6月12日までの期間に日弁連が発出した各種会長談話、声明、意見書等の実績が報告されました。主な内容として、新潟水俣病認定義務付け訴訟判決、憲法記念日にあたっての談話、会社法制中間試案に対する意見書、民事訴訟デジタル化全面施行に伴う声明、刑事訴訟法の一部施行に伴う声明などが紹介されました。これらは日弁連の公式見解として広く市民や関係機関に向けて発信され、多様な会務の活性化や司法改革への提言としての役割を果たしていることが共有されました。
- 刑事手続のデジタル化に伴う訴訟に関する書類のデジタル化に対応するための最高裁判所並びに法務省及び最高検察庁との協議状況に関する件
来年3月の刑事手続デジタル化(フェーズ1)施行に伴う、最高裁・法務省・最高検等との協議状況報告です。刑事長少年共通の新システム「リンケージ(Linkage)」の開発状況や、検察庁が想定しているSharePointを利用した「外部連携ポータル」の仕様(弁護人選任届、意見書の電子提出や、プライバシー確保のためのアカウントアクセス制限)等について最新の進捗と懸念材料が報告されました。オフライン時やシステム障害時の対応等について協議継続予定です。
- オンライン接見の法制化及び非対面による外部交通に係る十施設の拡大等に関する件
刑事施設等におけるオンライン接見の試行状況報告です。昨年度までの協議に基づき開始された第1次(4月施行、13施設)、今期予算に計上されている第2次の実施見込み、および来年度予算要望にかかる第3次候補地の選定交渉(法テラス等との調整等含む)の進捗が示されました。なお、少年鑑別所については、厚生局への管轄切り離し等を理由に対象外とされた経緯が説明されました。
- 売買春に係る規制の在り方検討会に関する件
近年問題視されている路上売買春への若年女性の関与などの社会情勢を踏まえ、法務省に立ち上げられた「売買春に係る規制の在り方検討会」の審議経緯について報告されました。第4回までの開催状況、ソーシャルワーカーや支援団体、当事者等からのヒアリング状況、論点整理案等の進捗、および有識者による議論の内容について共有がなされました。
- 弁護士後見人の不祥事防止・早期対応策の取り組みに関する件
高齢者障害者利便支援センター担当。後見人等候補者推薦名簿の質担保や、家庭裁判所への報告書(財産目録・収支報告書作成時の通帳原本確認等)の適正確認等の事前予防策、および事故時の事後救済(信用保証制度等)についてのアンケート(回答期限7月24日)への協力要請です。不祥事防止の抜本的対策として推薦名簿における候補者の資力要源等の設定可能性や、早期発見に向けたチェック体制の更なる強化について意見交換が行われました。
- 民事裁判手続等のデジタル化に関する件
本年5月21日に全面施行(義務化)された「mints」について、施行前後の混乱状況や今後の対応が報告されました。紙での駆け込み申し立ての殺到や、移行期のシステム誤用、非訟事件との混同などのトラブル事例が共有されました。来年中に新規申し立てが移行する「TreeeS」に関し、愛知会での6月23日先行説明会の動画や習熟用ツールのWeb掲載、GビズIDの取得推奨、旧姓(職務上氏名)利用の可能性等、円滑な移行に向けたスケジュールが示されました。
- いわゆる谷間問題に関する法務省との協議状況の件
司法修習費用問題対策本部・谷間対策関係です。公益的活動等を担う若手・中堅弁護士の支援を目的とする「基金構想(法曹人材の確保・育成のための基金)」に関し、法務省との最新の交渉経緯が報告されました。7月の骨太の方針への盛り込み、8月の概算要求への反映、および2027年度の制度設計創設を目指し、法テラスの委託事業スキームも含めた詰めの協議を進めています。
- 最高裁が検討する機動的新審理運営に関する件
最高裁が進める民事訴訟の機動的新審理運営(支部等の機動的運用)および支部執行・破産事件の本庁集約化計画についての報告と実態把握の要請です。支部執行・本庁集約による支部の過疎化や弁護士・市民の負担増、新審理運営の実務的影響について強い懸念が示され、各地の実態把握を徹底したうえで今後の対応方針を再検討することが確認されました。さらに、地裁側から一方的な了解説明がなされた経緯の事実確認や、執行官の配置状況も含めた各地の反発、撤回例等の情報共有が行われました。
- 市民向け広報施策の件
青い鳥とひまわり、コピー及びステートメントのイメージビジュアルを活用した、市民向けブランディング広報の運用実績および7月以降の展開計画について報告がなされました。本広報は具体的な相談誘導ではなく、弁護士の高い専門性と身近なイメージを構築する基盤的ブランド価値向上を目的とし、デジタル・動画等を組み合わせて継続展開します。各会向けにクリアファイルやペーパーバッグなどの配布素材も用意され、活用が呼びかけられました。
業際・非弁・非弁提携問題等対策本部 全体会議
柴垣明彦本部長代行(東京)、鍛冶良明事務局長(東京)等の新役員体制を指名し、2025年度活動報告および日常活動を担う運営委員会設置を含む2026年度活動方針が承認されました。具体的には、司法書士への家事事件代理権付与等の職域侵出問題への対応、非弁取締体制の強化、業務広告規制をめぐる諸課題の検討が承認されました。また、福岡における行政書士の自賠責一括請求代理に伴う非弁容疑での逮捕事案、損害保険会社が税理士等を関与させて不当な示談代行を行う事案について意見交換を行い、全国的な情報共有と実務的・能動的な活動の推進が確認されました。
再審法改正実現本部 全体会議
再審法改正法案の衆議院可決・参議院移行に伴う国会情勢が報告され、証拠一覧表提示の限定や開示証拠の目的外使用禁止等の課題・改悪点を指摘する会長談話が共有されました。超党派議連案の実現に向けた国会議員への要請活動や首長・各種団体への賛同要請の進捗を確認し、すでに28道府県議会を含む881の地方議会で意見書が採択された実績が報告されました。また、6月8日開催の緊急院内会議の成果や、全国一斉キャラバン、大阪のウメダアクション、京都の緊急市民集会といった各地での市民運動の好事例が紹介され、参議院審議での実効的な法改正獲得と更なる世論喚起に向けて、全単位会が一体となって運動を最大化する方針が確認されました。
法曹養成制度改革実現本部 全体会議
谷眞人本部長代行(東京)、服部千鶴事務局長(愛知)等の体制が承認されました。志願者減少、就職の早期化、地域偏在(ゼロ・ワン問題)、未修者合格率低迷等の構造的課題解決に向けた方針が確認されました。具体的には、最高裁・法務省との共催行事、ロースクール生の地方への短期就業体験(本年160名応募のエクスターンシップ)、大学・ロースクールでの交流会、広報動画の活用等による魅力発信施策を推進します。あわせて、中教審での加算プログラム見直しや、本年7月から順次導入される司法試験のデジタル化(CBT方式)の動向について継続協議することが報告されました。
死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部 全体会議
小川原裕二本部長代行をはじめ、退任役員の方々が関与する高い継続性を持った組織体制が報告されました。本年度は、元検事総長や元警察庁長官ら国民各界の有識者が取りまとめた「日本の死刑制度について考える懇話会」報告書の提言を主軸に据え、国会や内閣の下に死刑制度の根本的検討を行う「公的会議体」の設置実現を最優先の活動方針とすることが承認されました。これに基づき、国会議員への説得、法務大臣への死刑執行停止・公的会議体設置の要請、および国際連携を進めます。また、決議採択済みの24地方会に続き未採択会での決議上程を促し、学習会への費用補助等を活用して全国的な機運醸成を強化するよう要請がなされました。
日弁連の女性枠理事の1年間と私の思い
2025年度日弁連理事 松浦 由加子
2025年4月より1年間、京都弁護士会の推薦で、近弁連の女性枠にて日弁連理事を務めましたので、この場を借りてその経験をご報告いたします。
まず、そもそも日弁連の理事会とは何かですが、会則で定められた事項を審議する機関で、単位会の常議員会に相当します。したがって、常議員会のように、予算を含む会の運営に関する重要事項、規則の制定や変更、意見書等の採択などが審議されますが、「連合会」の理事会ですので、理事の大半は各単位会の会長が占め、日弁連からの各単位会への情報提供(mints関係など)や要請事項(再審法改正のロビー活動など)も多いのが特徴です。
日弁連単位となると議題も多く、毎月2日間あり、宿泊せざるを得ない理事もおり、近弁連の理事も1日目の宿泊が前提とされています。理事会資料は、数日前に宅急便で送られてきますが、4~5cmと大部のときもあり、行きの新幹線である程度読み飛ばしながら目を通していました。
1年間、理事会に参加して感じたのが、思いのほか日弁連は地方の声を尊重しており、しかし、それでも都会と地方、概ね執行部側の理事会と一般会員との間の意識や認識のギャップが大きいことです。また、これは京都でも同じでしょうが、執行部に影響力が強い委員会等とそうでないところとのアンバランスさも見受けられました。全体を見渡してバランスよくリソースが配分されればいいのですが、日弁連内の組織が強固で声が大きいところにすべてが集中してしまうのを目の当たりにして大変残念でした。
そのような中で、女性枠の理事の意義が何かというと難しいのですが、私は、単純に理事会の意見の多様性の確保に有用ではないかと思います。もちろん、女性といっても様々ですが、やはり角度が違う意見が出てきやすいような気がします。また、会長理事のように執行部の立場ではないので、一般会員に近しい心構えで意見を述べられるという側面もあります。
私は、2016年度に発出されたとある日弁連の会長声明が女性理事が多ければ通らなかっただろうひどいものだった(と私は思う)ので、翌年度の大阪での近弁連理事会に、日弁連理事の女性枠設置の賛成意見を述べに行きました。それから10年近く経ち、弁護士会も大分変わってきたものの、男女の人数割合の不均衡があるのは同じですから、女性枠の意義は今も変わりません。
2025年度より弁連の女性の日弁連理事には毎月報酬が支給されていますし、京都弁護士会からの補助もあります。また、これは女性に限りませんが、日弁連理事になるに際して、理事会日程、オンライン参加の要件、交通費や宿泊費の金額の条件などの事前情報があまりに少なすぎるので、改善を求めています。
このように、少しずつ環境は整ってきています。今のところ、京都弁護士会からは副会長経験者からしか女性枠理事が輩出できていませんが、考えようによっては1年間ずっと会運営に責任を負わないといけなくて落ち着かない副会長より、月2日だけで業務が完結する日弁連理事の方が負担は軽いかもしれません。もっともっと、色んな京都の女性弁護士が、日弁連理事として活躍されることを心から願っています。