日弁連理事会報告

2026年度第1回理事会

会長 谷口 直大

【開催日】 2026年4月16日(木)、17日(金)
【場 所】 弁護士会館17階大会議室(1701)

【審議事項】

1.理事会運営方針の件

  •  意見書案等の提出や審議に関する手続要領、配布資料のパスワード管理、Zoomを用いた通信システムでの出席に関する運営方針などが説明されました。配布資料のパスワードは年度内共通とされ、通信システムでの出席には事前の申請書提出が必要であること等が確認・承認されました。

2.常務理事の員数及び選任の件

  •  常務理事の員数を例年通り39名とし、あらかじめ各ブロック・弁護士会から推薦のあった候補者を常務理事に選任することが提案されました。東京三会や各ブロックごとの割当数に基づき、事前に調整された候補者が承認されました。

3.常務理事会運営方針の件

  •  常務理事会の開催時間などの運営方針が提案されました。定例日は理事会1日目の特定の時間に開催すること、また常務理事の中から主査理事を選任し、常務理事会からの委任事項の処理や各委員会との連絡・調整を行わせることが承認されました。

4.担当主査理事に事故があるとき、担当主査理事が欠けたとき、又は担当主査理事が判断することが相当でないときの緊急時における常務理事会の対応に関する件

  •  担当主査理事に事故等がある場合や判断が相当でない場合の緊急時の対応を常務理事会に委ねること、またその職務を代行する者の順位について説明があり、承認されました。

5.会則第74条に規定する常置委員会委員(選挙管理委員会委員を除く)選任の件

  •  弁護士推薦、司法修習、司法制度など5つの常置委員会の委員について、各弁護士会から推薦された候補者を選任することが承認されました。また、任期途中に委員が欠けた場合の欠員補充についても、推薦に基づき選任する措置を会長に一任することが承認されました。

6.特別委員会委員の選任に関する件

  •  常置委員会及び法定委員会を除く特別委員会の委員選任(規則・設置要綱の範囲内における委員数の変更を含む)について、その措置を会長に一任することが提案され、承認されました。

7.第77回定期総会開催の件

  •  第77回定期総会の開催日時(2026年6月12日)、場所(弁護士会館)、目的事項(会務報告、決算報告、予算議決など)が説明されました。一部の議題については別途承認され、残りの事項については5月の理事会で引き続き審議されることとなりました。

8.第77回定期総会提出議案に関する件

  •  綱紀委員会委員及び綱紀審査会委員の選任について、年に複数回生じる委員交代のたびに総会を開催することは現実的でないため、その選任権限を理事会に一任する件と、次々回の第78回定期総会の開催地を長崎県から宮崎県に変更・決定する件を、6月の定期総会の議案とすることが承認されました。

9.債権管理回収業に関する特別措置法第6条第2項により、債権回収会社の取締役弁護士について、法務大臣に述べるべき意見の審議を常務理事会に委任するとともに、第1回常務理事会までの間、会長に委任する件

  •  債権回収会社の取締役弁護士に関する法務大臣への意見提出について、理事会の決議により審議を常務理事会に委任し、第1回常務理事会までに意見表明が必要な場合の判断は会長に一任することが提案され、承認されました。

10.弁護士名簿登録請求の件

  •  弁護士法第4条に該当する者からの登録請求などについて審議されました。今回登録請求があったうち、13名について資格や欠格事由等に問題がないことが確認され、希望登録日または本日付で弁護士名簿へ登録することが承認されました。承認後の日付変更等については会長へ一任されました。

11.弁護士会会則等制定・変更の件

  •  各弁護士会から日弁連に対して承認申請のあった182件の会則等の変更について審議されました。日弁連において従来の規定や他会則との整合性を確認し、修正すべき点については各弁護士会で修正されたものであるため、これらを一括して承認することが提案され、承認されました。

12.国際業務委員会設置の件(関連して、国際業務推進センター廃止の件、各種設置要綱中一部改正の件)

  •  国際関係の業務を行っている「国際業務推進センター」などの3つの組織を統合し、「国際業務委員会」を新たに設置することが提案されました。これにより相互の連携を図り、より機動的・効率的に活動を充実させることが目的であり、関連規則の改正とともに承認されました。

13.千葉刑務所における特殊取扱郵便に関する人権救済申立事件についての勧告書案の件

  •  人権擁護委員会から、千葉刑務所に対して勧告書を発出する案について説明がありました。受刑者等の通信に関する権利制限や、特殊取扱郵便の運用上の問題などを理由とした人権救済の申立てを受けたものであり、本案が承認されました。

14.永住者資格取消制度に関するガイドラインの策定及び運用についての意見書案の件

  •  永住者の生活基盤の保障や適正手続の遵守を求め、地方公共団体による通報制度の運用上の配慮や、制度の途中適用の禁止などを盛り込んだ意見書案が提案されました。人権擁護の観点からガイドラインの適切な運用を求める内容であり、承認されました。

15.資格審査会委員の委嘱の件

  •  資格審査会委員の途中交代について、定期総会から理事会に委任されている権限に基づき、新たな委員の委嘱が承認されました。任期は前任者の残任期間である2027年10月31日までとなります。

16.綱紀委員会委員の委嘱の件

  •  綱紀委員会委員の辞任に伴う後任者の推薦・選任に関し、東京弁護士会からの委員交代として広瀬会員から中里会員への交代が提案されました。任期は前任者の残任期間である2027年3月31日までとし、承認されました。

17.2026年度依頼者見舞金支給合計額の上限決定の件

  •  依頼者見舞金制度に基づく支給合計額の上限を決定する件について審議されました。過去の支給実績等が報告された上で、会費が逼迫する中での見舞金支給のあり方やバランスについて意見交換が行われ、5年ごとの見直しを見据えつつ、本年度の支給合計額の上限が承認されました。

18.個人情報保護法いわゆる3年ごと見直しの改正法案についての意見書案の件

  •  情報問題対策委員会から提案された、個人情報保護法の改正法案に関する意見書案について審議されました。特に健康情報等の学術研究目的での例外的な取扱い、生体データの利用許容に関する明確な規制の必要性、委託の意義の明確化などについての提言が含まれており、承認されました。

19.事務次長任命の件

  •  事務次長の任命に関する議題ですが、提供されたトランスクリプトおよび資料の範囲内では、資料53の2に基づいて審議される議題であること以外、詳細な議事内容や任命された人物についての記録は確認できません。

【要請事項】

1.検察審査会事務局との協議に関する件

  •  各弁護士会に対し、各地の検察審査会事務局と継続的に協議を実施し、その結果を2か月以内(またはすでに実施済みの場合は5月14日まで)に日弁連へ報告するよう要請されました。審査補助員や指定弁護士の推薦制度の運用改善等が目的です。

2.刑事再審弁護活動に対する援助制度に関する件

  •  2024年4月から開始された「刑事再審弁護活動に対する援助制度」について、活動金(1年あたり22万円)や費用(最大30万円)などの援助が行われることが説明されました。しかし現状応募が少ないため、会員へ広く制度を周知し、利用を促すよう要請されました。

3.弁護士業務におけるマネー・ローンダリング対策の件

  •  FATFの第5次対日相互審査に向け、弁護士業務におけるマネー・ローンダリング対策の実施状況を把握するため、年次報告書の提出が求められました。各弁護士会および会員に対する理解と協力、報告書提出に向けた注意喚起などが要請されました。

4.育児期間中の会員に対する保育サービス利用料の補助に関する件

  •  育児期間中の会員を対象とした保育サービス利用料の補助制度について、会員の支援を目的として設けられたせっかくの制度であるため、広く会員に周知し利用を呼びかけるよう各弁護士会へ要請されました。

5.日弁連理事者と地方への登録を希望する会員の昼食会の実施の件

  •  新人弁護士の大都市偏在問題への対策として、理事会開催日に、地方への登録を希望する会員と日弁連理事者とが昼食を取りながら情報交換を行う「昼食会」の実施について報告があり、会員への周知と積極的な参加の呼びかけが要請されました。

6.地方の弁護士会への見学に係る旅費の補助に関する件

  •  前項の昼食会と同様に、大都市偏在問題の解消や地方での就職支援を目的として、地方の弁護士会や事務所を見学する際の旅費を補助する制度について、会員に広く周知するよう要請されました。状況を見ながら柔軟に運用される予定です。

7.企業内弁護士の会務活動への参加に関する件

  •  増加する企業内弁護士が会務活動に参加しやすくするため、弁護士会内での会議時間等の配慮や情報提供の充実、専門部門の設置が求められました。また、所属企業に対して修業時間中の参加容認や報告免除などを働きかけるための雛形が提供され、各会への配慮と協力が要請されました。

8.裁判所への裁判官人事評価情報提供の集中・強化の件

  •  裁判官の外部人事評価制度の充実のため、各弁護士会から裁判所への情報提供の集中・強化が要請されました。会員からの積極的な情報提供を呼びかけ、問題のある裁判官についての具体的な評価情報を総務課等に提出することが求められました。

9.非常勤裁判官(家事調停官)の新規配置及び配置増員に関する件

  •  家事調停官の配置増員や新規配置に向けて、各地の状況を踏まえた情報収集と、アンケートへの積極的な回答、要望事項の提出などの協力を各弁護士会へ要請しました。任期満了に伴う後任の確保や、配置を希望する支部についての情報提供も求められました。

10.市町村における災害関連死審査会の審査指針案の策定に関する意見照会の件

  •  災害関連死審査会における公平な審査のため、弁護士3名による合議体の構築などを求める審査指針案について意見照会が行われました。災害経験の少ない地域でも先取りして検討し、人員確保の負担等を踏まえて意見を提出するよう各会に要請されました。

11.2026年度弁護士会災害担当副会長連絡会に関する件

  •  2026年6月1日にオンラインで開催される災害担当副会長連絡会への参加が要請されました。災害発生時の弁護士会の活動、災害ケースマネジメント、災害救助法の改正、能登半島地震等の活動紹介などをテーマとしており、各会からの出欠回答が求められました。

12.最低賃金額の引上げと全国一律最低賃金制度の実施を求める取組に関する件

  •  最低賃金の大幅な引上げや全国一律制度の導入を求める会長声明が発出されたことを受け、各地方最低賃金審議会への意見書提出や、中小企業に対する抜本的な支援策の実施要請など、各会の実情に応じた取組みを推進するよう要請されました。

13.日本弁護士連合会におけるハラスメントの防止の件

  •  日弁連の職員や関係者に対するハラスメントを防止するため、相談制度や第三者委員会による調査手続きの概要が説明されました。パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントの具体例が共有され、各弁護士会での注意喚起と防止に向けた協力が要請されました。

14.住宅紛争審査会に関する弁護士会モデル規則案の件

  •  仲裁法の改正に伴い暫定保全措置に関する制度が整備されたことを受け、日弁連で弁護士会住宅紛争審査会規則のモデル規則案が作成されました。これに沿って、各弁護士会において速やかに規則を改正し、日弁連の承認を得るよう要請されました。

15.民事裁判手続等のデジタル化に関する件

  •  5月21日から始まる民事裁判手続のIT化(デジタル化)の義務化に向け、日弁連から毎月のように情報提供や「IT化ニュース」の紹介が行われることが説明されました。これらを通じて、各会員がデジタル化への対応準備を滞りなく進められるよう周知が要請されました。

【全体会議】

1.司法修習費用問題対策本部全体会議

  •  谷間世代への基金創設等による支援の実現に向けた活動報告が行われました。骨太の方針への支援の盛り込みに向けた法務省との協議の進捗、5月に予定されている院内意見交換会の開催、国会議員への要請活動などについて説明があり、引き続きの協力が呼びかけられました。

2.死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部全体会議

  •  死刑廃止に向けた国会議員への要請活動の実施結果や、「日本の死刑制度について考える懇話会」の報告書等に基づく公的な会議体の設置要請について報告が行われました。また、各地の弁護士会における死刑廃止を求める総会決議に向けた取り組み状況の共有と協力の要請が行われました。

3.再審法改正実現本部全体会議

  •  法制審議会の答申案の問題点を指摘し、議員立法案に基づく再審法改正の実現に向けた活動について報告が行われました。国会議員への積極的な要請活動の依頼、法務省の想定質問に対する反論資料の活用、各会での連絡担当者の選任、シンポジウム等の開催による世論喚起などが要請されました。

4.総合法律支援本部全体会議

  •  法テラスの在り方に関する有識者検討会の設置と第1回会合の報告が行われました。また、民事法律扶助を利用した自己破産事件の業務量調査への協力依頼や、法テラス地方事務所における審査準備事務の集約試行の現状、シンポジウムの開催予定などについて説明・報告が行われました。

5.互助年金・福祉厚生委員会全体会議

  •  委員長・副委員長の選出および職務代行順位の決定が行われました。また、常務委員の選任や資金管理運用検討委員会の構成員の選任、今年度の委員会運営方針(常務委員会等への権限委任)、弔慰金の支給基準、および前年度の事業報告・決算などが審議され、いずれも承認されました。

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