《委員会レポート&今月のイベント》「裁判傍聴引率記」

法教育委員会
委員 椎名 基晴

 弁護人として法廷に行ったら、予想以上に傍聴人が多くて、しかも知り合いの弁護士が、仕事中でもない感じでなぜかこちらを見つめている…。やりにくいな…。
 そんな経験をした会員はおられませんか。もしおられたら、それは弁護士会主催の裁判傍聴だったかもしれません。

 令和8年1月21日に、法教育委員会の府市民講座部会担当のイベントである裁判傍聴の引率をしました。このイベントは、京都地方裁判所の協力を得て、概ね毎月1回開催しています。毎回8名程度の府市民の方々を案内しています。最近は希望者が多く、抽選倍率は数倍になっていると聞いていますので、当選された方々が集合するところを見ると「さすが数倍の抽選を乗り超えてきた方々だ。面構えが違う。」と思えてきます(多分)。府市民の方々は老若男女さまざまです。過去には「子どもが裁判官をしておりまして、子どもの仕事がどんな感じなのか知りたくて」という方もおられました。
 イベントの流れは、12時半~13時に刑事裁判手続きの解説、13時~15時に裁判傍聴、15時から30、40分程度弁護士による解説となります。裁判を傍聴するだけでは意味がよく分からないという府市民の方が多いため、最後の弁護士による裁判の状況の読み取り、解説は好評を博しています。
 私が引率して傍聴した事件は、常習賭博罪の判決と大麻取締法違反事件の審理でした。大麻取締法違反事件は否認事件の検察側証人の尋問だったので、緊張感のあるやりとりが行われていました。参加者からは「テレビで見ていたのと同じだ」「細やかに聴き取っている」という感想をいただきました。
 法曹三者の法廷での様子についてよく言われている感想は、「早口」「声が小さくて聴き取りづらい」です。この日の法曹三者の一部に、まさに当てはまってしまいました。法曹三者の発言が傍聴人だけでなく他の訴訟当事者にも聴き取りにくいであろうときもあるので、そういうときは、後の解説でフォローするのに苦戦してしまいます。
 裁判傍聴を引率すると、顧客ではない、利害関係のない府市民の方々との間で、できる限りかみくだいて解説したり、忌憚の無い感想をもらう経験を積みます。その経験が、自分の仕事での説明スキル向上に活きているな、と感じます。裁判傍聴の引率に興味をもたれた会員がいたら、ぜひ法教育委員会で担当してみてください。

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