会務NEWS Vol.651
犯罪被害者支援委員会
委員長 奥田 尚彦
去る1月6日と同月8日に、犯罪被害者等法律援助制度に関する研修を当委員会主催で実施しました。
犯罪被害者等法律援助制度は、改正総合法律支援法(令和6年法律第19号)によって新たに創設される、犯罪被害者の権利保護と負担軽減を図るための制度です。
これまで一定の罪名に該当する犯罪被害に遭われた被害者が弁護士に依頼する場合、刑事手続きに関しては日弁連の委託援助制度を利用し、民事手続きは法テラスの代理法律援助を利用していました(いずれの制度も資力(収入)要件があります)。
しかし、今回創設された犯罪被害者等法律援助制度は、①故意の犯罪行為により人を死亡させた罪(未遂も含む)、②一定の性犯罪(未遂も含む)、③故意の犯罪行為により重傷を負った罪で、流動資産が300万円以下(配偶者分も含む)である被害者に対し、刑事手続きと民事手続き(執行まで含む)の両面で弁護士費用等を支援するものとなります。しかも、原則として利用者の負担のない給付制になっています(但し、回収できた金額によっては返還を要する場合もあります)。
なお、この制度は、令和8年1月13日以降に発生した事件の被害者が利用することができます。
この制度ができたことで刑事手続きだけでなく民事手続きまで包括的に弁護士費用等のサポートの範囲が広がることとなり、より犯罪被害者の支援に資するものになったと思われます。
また、この制度では弁護士費用等を国(法テラス)が支出することになりますので、これまでの日弁連の委託援助からの支出がその分減少することになります。これによって、日弁連の委託援助の費用を、別の弁護士を必要とされている方への支援に充てることも可能となったといえます。
この犯罪被害者等法律援助制度は、法テラスとこの制度利用の契約が必要であり、それにあたり今回実施した研修を受講していただかなければなりません。
当委員会としては、より多くの会員がこの制度を利用していただけるよう、今後も情報発信をするとともに、契約の要件となる当該研修も適宜開催していきたいと考えています。