会務NEWS Vol.657
再審法改正実現本部
本部長代行 池上 哲朗
7月3日17時過ぎから河原町御池交差点北西角において、真の再審法「改正」を求める緊急街頭宣伝が実施されました。
ご承知のとおり、再審法改正は、議連提出法案が今年2月の総選挙実施で廃案となってしまい、他方で法務省(=検察庁)主導で法制審における露骨で拙速な審議に基づく改正案がとりまとめられましたが、その内容に対しては与党自民党内で異論や批判が相次ぎました(いわゆる「稲田の乱」)。
残念ながら最後は政治的駆け引きによって、政府案(閣法)として取りまとめられましたが、その内容は不十分なものであり、えん罪被害を速やかにかつ適正に解決するための再審手続としては極めて問題のある内容となっています。与党内の手続を経て閣法として提出された以上、与党が圧倒的多数を占める衆議院では政府案通り可決され、参議院に送られることとなったため、政府案の問題点と本来あるべき再審法改正の内容について、府市民の皆様にご理解いただき、参議院での審議に民意を反映してもらうために急遽実施されたのが、今回の緊急街頭宣伝です。
当日は、急な呼びかけにもかかわらず、会員から約30名、国民救援会京都府本部や法律事務所事務員の方も含めると総勢約40名の参加があり、えん罪被害者である阪原弘さんの長男弘次さんと被害者ご本人西山美香さんのご両名にもご参加いただきました。
日弁連再審法改正推進室長として八面六臂の活躍をされている鴨志田会員が政府案の問題点や現在の国会情勢を、分かりやすく端的にまとめて報告された上で、阪原さん、西山さんが直接マイクを持ってあるべき再審法の改正を訴えられました。阪原さん、西山さんの訴えは、被害者としての自らの体験と切実な心情に基づくものであり、当事者ならではの説得力にあふれた内容でした。
その後は谷口会長、高橋宗吾副会長もマイクを握り、証拠開示制度が不十分であるため再審開始のハードルが依然として高いままであること、検察官抗告が禁止されておらず検察官が機械的に抗告すると想定されるため、無罪判決までに不相当に長期間が必要となってしまい、真の再審法「改正」となっていないこと等、政府案の問題点の詳細とあるべき再審法の内容を府市民の方々に対して熱く訴えました。
再審法改正案は同月16日の法務委員会での審議を経て翌17日には参議院本会議において政府案通り可決承認されました。弁護士会が長年に亘り取り組んできた再審法改正は一歩前進とは評価できますが、残念ながら真の再審法改正は実現できませんでした。
ただ、改正法では5年毎の見直し条項が附則に盛り込まれました。この間の弁護士会による運動の盛り上がりにより、更なる再審法改正の必要や、改正のあるべき内容は、マスコミ報道等を通じて広くアナウンスされています。当本部としては、引き続き真の再審法「改正」の実現を求めて活動を続けていく予定ですので、会員の皆様にもご理解とご協力をいただきたくお願いいたします。