秘密保護法・共謀罪対策本部
事務局長 秋山 健司
「鳩山(※一郎)邸に盗聴器をつけるときには、東京ガスの工事人夫に化けて潜入したんだ。だから、応接室での会話も、むろん電話のなかみもぜんぶわれわれにはわかっていたんです。」この言葉、誰の言葉かご存じでしたか?「外国のスパイとそれに協力した日本人!」…残念。正解は…「内閣情報調査室(内調)とともに工作活動を行っていた、佐藤栄作元首相の秘書を務めていた鬼倉氏」です(「謀略列島 内閣調査室の実像」〈1978年吉原公一郎氏著〉より)。なんと、日本の現職総理大臣が、日本の行政機関とその協力者によってスパイ被害を受けていたのです。この内調が今般「国家情報局」に格上げされ、警察庁、防衛省、公安調査庁等の情報機関が取得している情報や資料を提供させ、首相を議長とする「国家情報会議」に提供することを内容とする「国家情報会議設置法」が成立しました。その直後の時期に、本シンポは開催されました。時機に叶ったこともあり、会館、オンラインで合計126名の方々が参加されました。
髙橋宗吾副会長開会後挨拶
講師は、弁護士登録2年目に自民党の1980年代版国家機密法(スパイ防止法)反対運動体の事務局長を務めて廃案を実現し、自衛隊情報保全隊による、イラク自衛隊派遣に反対する集会・デモ監視活動を断罪した仙台高裁判決(確定)、公安警察による違憲・違法な情報収集・利用活動を断罪した名古屋高裁判決(確定)を獲得された、愛知県弁護士会所属の中谷雄二弁護士です。
ご講演中の中谷先生
中谷弁護士のご講演、鼎談、質疑応答を通じて、
- 1980年代版国家機密法実現を推進していた統一協会・国際勝共連合が、今回も推進活動を行っている。が、統一協会問題を取り上げるマスコミがその点に光を当てていない。
- 2025年夏の参議院選挙の頃からスパイ防止法制を訴えている参政党の神谷党首は、「情報戦の教科書」なる書籍を出版し、その中で戦前の内務省が国民(臣民)向け防諜教育のために発行した資料の内容と同一のことを記している。
- 防諜の真の目的は、日本人を真の日本人に立ち返らせることにある。そのために外来思想・自由主義や個人主義思想を徹底的に排除する、外国系の経済団体、宗教団体、教育団体を取り除いてスパイの温床を絶滅する、という方向になり、排外主義に行き着く。
- 2025年8月に、石破内閣は、「防諜は出来ている、スパイ天国なる状況にはない」という答弁書を閣議決定していた。しかし、高市内閣になった途端スパイ天国になってしまうとはどういうこと?
- 現状、日本国が外国からスパイされ放題になっているどころか、日本国民を含めた市民の情報が時の日本国政府に監視(見張る、尾行する、記録する)し尽くされている。大垣市民監視訴訟では「公安警察による市民の情報取得・保有・利用についてはその要件が憲法的要請を踏まえて立法されるべきである」と、法律による行政の原理(法治主義)に立ち返るべきことが判示されている。しかし依然として警察法2条1項のような組織法規定を根拠に市民監視が行われており、今回の国家情報会議設置法、今後に予定されているスパイ防止基本法、外国代理人登録制度、スパイ養成制度の法制化により一層ひどくなる。
- 情報部門の国家情報会議も、政策立案部門の国家安全保障局も、どちらも首相が議長を務めている。政策遂行しやすいように、取得した情報を元に歪めた情報を発信する危険が高くなる。(戦争遂行政策を進めやすくするための情報発信をする危険もある。)
- 外国代理人登録法が作られると、日本の外務省が中国の「反スパイ法」に対して「具体的にどのような組織や人物が『スパイ組織及びその代理人』に該当し、どのような行為がスパイ行為とみなされるのか明らかでなく、(中略)当局によって不透明かつ予見不可能な形で解釈される可能性があります。」という指摘がそのまま日本の外国代理人登録法に当てはまることとなる。究極的には、「日本が中国に対して行うスパイ活動はOK、中国が日本に対して行うスパイ規制はアウト」という話になりかねない。外国につながりのある市民は日本国民であっても取り締まられることとなる。ということを学びました。
今、若い方で労働組合等の組織の立場ではなく個人で街頭活動に取り組んでいる方が増えています。「1980年代版国家機密法の時に及ぶ運動を巻き起こし、何としてもスパイ防止法制の完成を阻止しましょう。」という当会の川中宏会員のフロア発言があり、中谷弁護士からも「かつて破壊活動防止法が世論の大反対の中でも成立したということがあった。しかし、その大反対が法律の手足を縛り、未だに団体解散命令制度を発動させていない。オウム真理教にも適用させなかった。秘密保護法も成立後に反対世論が更に高まり、未だに本格的発動を許していない。しっかり運動しましょう。」という檄を頂きました。
鼎談中
秘密保護法共謀罪対策本部は本日の学びを糧にして、引き続きシンポジウム、月例街宣等、ありとあらゆる取り組み可能な運動を強め、スパイ防止法完成の阻止を目指して頑張ります!
閉会挨拶する吉田薫本部長代行