《委員会レポート&今月のイベント》熊本刑務所視察レポート

刑事委員会
副委員長 津金 貴康

 刑法が改正され、懲役刑と禁固刑は、拘禁刑に一本化されました。これに伴い、拘禁刑において改善更生が目的であることが明記され(刑法12条3項)、刑務所においても改善処遇が重視されるようになりました。
 熊本刑務所は全国に先駆けて処遇プログラムにリフレクティングを取り入れています。昨年当会ではその中心的な役割を果たしている熊本大学の矢原隆行教授をお招きして研修を行いましたが、今回私たちは熊本刑務所に行き、刑務所の職員がリフレクティングにどのように取り組んでいるのか、またどのような場所で行っているのかなどについて視察することとしました。
 リフレクティングとは、話し手、聞き手、さらにそこに観察者が立ち会うというものです。刑務所においては、受刑者が話し手となり、聞き手である職員に話し、その後聞き手である職員と観察者である職員が、受刑者の会話の印象などを話し合うことで、受刑者が観察者に回り、自身が話した内容を客観的に受け止めるというものです。
 熊本刑務所では、一般改善指導としてリフレクティングを行うだけではなく、被害者の視点を取り入れた教育等の特別改善指導においても、リフレクティングの要素を活用しているというお話を伺いました。視察においては、リフレクティングを行う部屋を見せて頂くこともできました。
 熊本刑務所は、重大犯罪を犯し、受刑期間が10年以上となっている方々が多く収容されている施設です。一匹狼として生きてきた受刑者が、リフレクティングを行うことで、人の話を聞くようになり、喧嘩や対人トラブルが減っていったというお話もお伺いできました。
 リフレクティングは全国の刑務所でも取り入れられようとしていますが、まだ試行錯誤の段階であるものと推察します。今後、刑務所での改善処遇がどのように本人の生きやすさにつながっていくのか、我々も見ていきたいと思います。
 最後に、この視察の翌日に令和8年熊本地震が発生しました。視察に行った会員が無事であることに安堵するとともに、熊本の皆様の無事をお祈り申し上げます。

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