会務NEWS Vol.658
刑事委員会
副委員長 森下 裕
去る2026年8月13日から15日までの3日間、東京・弁護士会館で開催された日弁連の刑事法廷弁護技術研修に参加いたしました。
本研修は、事前課題である「山川直太事件」(強盗致傷)を題材に、冒頭陳述・主尋問・反対尋問・異議・交互尋問・最終弁論の各場面を、班ごとに検察官役・弁護人役・証人役に分かれて実演し、その様子をビデオに撮影して講師の講評を受けるという、実践的な内容でした。法廷技術研修は毎年京都でも開催されており、私も何度も参加しておりますが、京都では2日間の日程です。今回は3日間あったため、京都では時間の関係で扱いきれない異議の研修と交互尋問の研修に、じっくり取り組むことができました。異議は瞬時の判断が求められ、交互尋問は主尋問から反対尋問までを見通した設計が問われるもので、いずれもまとまった時間の中で繰り返し実演できたことは、非常に有意義でした。今回私は、検察官として尋問する側と、証人(被害者)として尋問される側の双方を経験しましたが、尋問される立場に立って初めて、答えにくい問いと答えやすい問いの違いが見えてくることも実感いたしました。その経験もどのように尋問に活かすのかという点も考え、実践できたことは、非常に勉強になりました。
また、本研修には全国の各単位会から刑事弁護に熱心に取り組む弁護士が受講生として集まっており、実演や講評、懇親会での意見交換を通じて、自分にはなかったさまざまな視点や工夫に触れることができました。同じ課題に真剣に向き合う仲間から受けた刺激は、何ものにも代えがたいものでした。
この3日間で得たものを、日々の刑事弁護の実践に活かしてまいりたいと存じます。会員の皆様にも、機会がありましたら、ぜひ本研修への参加をお勧めいたします。