会務NEWS Vol.654
紛争解決センター運営委員会
委員 林 柚希
1 はじめに
去る3月27日(金)、28日(土)の2日間にわたり、あっせん人スキルアップトレーニングが開催されました。
8回目の開催を迎えた同トレーニングでは、本年も、講師として、公益社団法人仲裁人協会等でご活躍されている元中京大学教授の稲葉一人弁護士と九州大学大学院法学研究院の入江秀晃教授をお招きし、実践的な研修が行われたほか、日弁連の家事ADR支援事業として家族法改正に関する講義等を行うなど、2026年4月からの共同親権制度の導入を見越した企画も実施されました。
当会会員だけでなく、他会の弁護士や、司法書士、行政書士、民事調停委員の方にもご参加いただき、2日間で21名の参加者が、スキルアップに取り組みました。
2 研修の内容
あっせん人スキルアップトレーニングでは、講師の先生方から講義を受け、調停デモを見学し、言い換えの実践などのワークを行い、2日間で3回のロールプレイを体験します。調停デモもロールプレイも、原則、当事者同席の状態で行われます。
本年の調停デモは、子ども間の怪我の事案を題材にしたもので、それぞれの子どもの親が話合いを行うという設定でした。当事者役は研修参加者から選ばれ、その場で設定を確認し、稲葉先生をあっせん人役として、調停デモを行います。稲葉先生は、その手腕で、双方当事者から丁寧に話を聞取り、対話を促しつつ、本手続で解決すべき点を絞り、話合いを前向きに進める支援をしておられました。
ロールプレイも同じく、研修参加者から当事者役が選ばれ、それぞれが与えられた設定を読み込んだうえで行われ、あっせん人役の参加者が手続を進行します。本年は、①友人間のトラブル②賃貸借のトラブル③夫婦間の紛争の設定で、それぞれロールプレイが行われ、ロールプレイの後には当事者役からのフィードバックを受け、講師の先生方からコメントをいただき、自身のあっせん人としての振る舞いを見直す貴重な機会を得ることができました。
3 感想
あっせん人役を体験しフィードバックを受けてみると、中立の立場を意識しているつもりでも、なかなか当事者にそのように受け取ってもらえないことを実感します。
他方、当事者役を体験すると、相手と比べて話す時間が短いように感じたり、あっせん人の言葉の端々が気になったり、不満を汲みとってもらえぬまま解決へと進んでしまったりと、あっせん人の立場からは見えていなかった自身の改善点が見えてきます。
まだまだスキルアップの余地があることは自覚しておりますので、本研修で学んだことを日常の業務に生かしつつ、次年度以降も継続して、トレーニングに参加していきたいと思います。