《委員会レポート&今月のイベント》第36回全国付添人経験交流集会

子どもの権利委員会
委員長 藤原 式子

 2026年2月13日(金)、14日(土)の2日間にわたり、アクトシティ浜松コングレスセンターにて、第36回全国付添人経験交流集会が開催されました。この集会は活動経験の交流を通じて付添人活動の質の向上を目指して開催されるものですが、近年では学校問題や児童福祉など子どもの権利に関する多角的な取り組みが報告され、会場では活発な議論が交わされています。
 子どもの権利委員会では、参加した委員が委員会の場で報告して知見の共有に努めています。
1 全体会

⑴ 講演「人と人とをつなぎ、誰もが生きられる社会に~少年院教官の経験を生かして」
 立教大学コミュニティ福祉学部特任教授の津富宏先生に、元少年院教官としてのご経験や犯罪学の視点、また様々な社会活動を通じた知見から、少年に伴走し生きやすい社会を構築することの重要性についてお話しいただきました。付添人として、また弁護士も社会の一員として、少年の生活が地域社会で継続する中でどう関わるべきかを考える貴重な機会となりました。

⑵ 特別報告⑴ 「全面的な国選付添人制度の実現に向けた取組」
 日弁連全面的国選付添人制度実現本部事務局長の土橋央征弁護士より、国選付添人制度の全面的な実現に向けた、現在の取り組みの到達点と課題が示されました。付添人選任率の向上を踏まえ、国が制度として付添人を付すことの重要性が改めて確認されました。

⑶ 特別報告⑵ 「改正少年法下での実務の状況」
 日弁連子どもの権利委員会幹事の松田和哲弁護士より、特定少年の原則逆送事件の実情について報告がなされました。保護処分の許容性に関する主張立証において留意すべき事項など大変参考になりました。

2 分科会

⑴ 第1分科会は「特定少年の逆送事案における付添人の実践的課題─家裁手続・裁判員裁判への対応を踏まえて」をテーマに、特定少年の逆送事案における付添人活動の報告がされました。参加した委員は、特定少年という属性による分類を乗り越えることの難しさを痛感したとのことでした。

⑵ 第2分科会は「学校のいじめ未然防止の取組といじめ予防授業の在り方─効果測定の結果を踏まえて─」をテーマに、弁護士による授業の効果や学校との連携について報告されました。参加した委員は、効果持続のためには授業後の継続的な取り組みが大切であることなど大変参考になったとのことでした。

⑶ 第3分科会は「内密出産と子どもの権利」をテーマに、慈恵病院の蓮田健院長から母子の生命安全を守るための切実な現状をお話いただきました。併せて、子どもの出自を知る権利について、母の権利と対立させるのではなく子どもの権利を実質的に保障するための法整備が必要であることにつき議論がされました。

⑷ 第4分科会は「主体的な付添人活動~家裁調査官の非行原因の分析手法に学ぶ~」をテーマに、具体的なケースを通じ、元家裁調査官の講師から分析手法を学びました。

⑸ 第5分科会は「付添人活動を振り返る~海外ルーツ少年の事例を素材として」をテーマに、開催地である浜松の地域性を反映した外国にルーツを持つ少年を取り巻く環境や適切な関わり方や、少年友の会と弁護士付添人の協働についても報告がありました。家族の都合に振り回される少年の背景を理解し、誠実な大人として関わるべきと改めて襟を正す思いでした。

⑹ 第6分科会は「条例に基づく公的第三者機関の委員としての役割」をテーマに、オンブズパーソン等の活動報告や、こども基本法施行により増加する公的第三者機関において弁護士が果たすべき役割について議論されました。当委員会でも関心の高いテーマであり、出席した委員は子どもと一緒に考え解決策をみつける役割の重要さが印象的だったようです。

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