常議員会報告

2026年度第4回 2026年6月11日(木)

出席常議員27名(定数30名)

《審議事項》

  1.  低賃金労働者の生活を支え地域経済を活性化させるために、最低賃金額の引上げと地域間格差の是正、実効的な中小企業支援を求める会長声明の件
     髙橋宗吾副会長が提案説明、谷 文彰労働と社会保障に関する委員会委員長が資料に基づき詳細説明。
     谷委員長からは、会長声明案においては、京都地方最低賃金審議会が答申した最低賃金額の引上額が過去最大であり、また、中央最低賃金審議会の示した目安額を1円上回っていたことや、京都府が中小企業に対して独自の補助金制度を設置していることなど、評価すべき点は評価しつつも、批判すべき点について批判することを意識したとの説明がされた。
     審議の結果、賛成多数で可決。
  2.  2026年度 京都弁護士会各種委員会委員の追加選任の件
     高橋みどり副会長が提案説明。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  3.  2026年度 京都弁護士会運動会実行委員会委員の追加選任の件
     山下副会長が提案説明。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  4.  京都弁護士会リーガル・アクセス・センター規程(会規第62号)中一部改正の件(6月総会議案)
     高橋みどり副会長が提案説明。
     リーガル・アクセス・センター規程について、過去の改正により第8条の2を追加したが、第9条中の「前条」との記載が改正漏れとなっていた点を改正するものであり、また日弁連の事前検討も経てある旨説明された。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  5.  今井武大からの入会申込み(弁護士名簿登録請求)の件
    [調査小委員:戸田洋平(主査)、寺本憲治 両常議員]
     高橋みどり副会長が提案説明、戸田小委員から資料に基づき詳細報告。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  6.  安達賀奈子会員からの入会金納付免除申請の件
     高橋みどり副会長が提案説明。
     スタッフ弁護士である会員が当会を退会することに伴い、入会時に猶予されていた入会金納付の免除を申請したものである。
     審議の結果、賛成多数で可決。
  7.  2025年度(令和7年度)京都弁護士会法人会計及び各公益目的事業会計の収支決算案の件(6月総会議案)
     山下副会長が提案説明、分部りか前年度会計担当副会長と山下副会長が資料に基づき詳細説明。
     収入については、会費収入が増え、また会員から多額の寄付金があり、収入は増えたものの、支出については、広告費を減らした一方で、人件費や備品費(IT関係含む)が増加しており、結局2024年度に比べて赤字幅は減ったが、2025年度も赤字決算となったこと等が説明された。また、寄付金収入を除外した場合の赤字幅は、2024年度より広がっている旨も説明された。
     常議員から、人件費は今後も増加することが見込まれることから、財政の改善が急務である旨の意見が出された。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  8.  2026年度(令和8年度)京都弁護士会法人会計及び各公益目的事業会計の収支予算案の件(6月総会議案)
  9.  2027年度(令和9年度)(4月・5月・6月)京都弁護士会法人会計及び各公益目的事業会計の収支暫定予算案の件(6月総会議案)
     一括審議、個別採決。山下副会長が資料に基づき提案説明。
     2026年度予算については、予算の段階で約9000万円の赤字予算となっていることや、その理由について説明された。
     審議の結果、両議案とも全員賛成で可決。
  10.  当会定期総会(6/23開催)の議案の件
  11.  弁護士会員及び外国特別会員について、6月定期総会(6/23開催)を通信会議システムによって出席可能とする件
     一括審議、個別採決。高橋みどり副会長が資料に基づき提案説明。
     審議の結果、両議案とも全員賛成で可決。
  12.  日弁連定期総会(6/12開催)における「会」議決権行使に関する件
     日弁連定期総会の5つの議案について一括審議、個別採決。谷口会長が提案説明。
     審議の結果、いずれの議案についても賛成することについて、全員賛成で可決。
  13.  基本的人権の堅持・尊重を求める立場から、国家情報会議設置法制定に抗議し、その廃止を求める会長声明の件
     髙橋宗吾副会長が提案説明、秋山健司秘密保護法・共謀罪対策本部事務局長、及び吉田薫同本部長代行が資料に基づき詳細説明。
     国家情報会議設置法は、既存の諜報機関を強化統合するものといえる。時の政府の政策に反対する日本国民をも、過度に監視・規制の対象とする危険も生じうるため、その問題点を明らかにし、法律の廃止を求めたいとの説明がなされた。
     以下質疑応答
  • (参議院でどのような審議がなされたのか、との質問に対して)参議院では、衆議院に比べれば議論がなされ、附帯決議もなされたが、本則については衆議院の案から修正等はなされていない。
  • (日弁連の情報問題対策委員会の意見書との平仄についてどのように考えているか、との質問に対して)秘密保護法共謀罪対策本部としての意見を発出することが目的であることから、情報問題対策委員会との平仄を合わせることは意識していない。
  • (声明案の中で言及されているオランダと韓国の規制や、「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)」の内容について詳細が書かれていないが、これでよいのか、との質問に対して)詳細を記載すると文章がかなり長くなるため、これらは割愛した。

以上の質疑応答後、以下の意見が出された。

  • 違憲であることを明記し、また、法律の廃止を求める旨明記すべきではないか。
  • 執行先について、衆・参両議院の議長のみならず副議長にも送った方がよい。

審議の結果、意見を踏まえ若干の字句修正を加え、また、送付先に衆・参副議長も加え、賛成多数で可決。

  1.  文部科学省及び京都府による教育基本法第14条第2項違反の認定に抗議する会長声明の件
     高橋みどり副会長が提案説明、白土哲也憲法問題委員会委員長が資料に基づき詳細説明。
     2026年3月16日の同志社国際高校の沖縄修学旅行において発生した転覆事故に関し、文部科学省が、在日米軍新基地建設工事に関する学習が教育基本法14条2項に違反すると認定し、学校法人同志社に対し指導通知を発出した。そして、京都府も、文部科学省と同様の見解に立ち、同志社国際高校に対して是正措置を取るよう指導した。このような文部科学省や京都府の対応は、教育基本法16条が禁じる教育内容への不当な介入となることから、会長声明を発出したい、との趣旨説明がなされた。
     以下、質疑応答
    • (文部科学省と京都府は、どのような事実が教育基本法14条2項に反すると認定したのか説明されたい、との質問に対して)抗議船に生徒を乗せるというプログラムや、過去の沖縄旅行のしおりに抗議活動への参加が記載されていたこと等から、教育基本法14条2項に反すると認定した。
    • (令和8年5月22日の文部科学省の認定内容と会長声明が噛み合っていないようにも思えたが、なぜそのような声明にしたか、との質問に対して)そもそも教育基本法14条2項を広く解釈すると、教育への過度な介入を幅広く許容することにつながるため、同条項は限定的に解釈すべきであることを述べるべきだと考えている、文部科学省の個別の認定内容に反論する以前の問題であると考えたため、このような声明となった。
    • (会長声明の事実認定の根拠は何か、との質問に対して)同志社国際高校の資料や当事者の資料等から認定した。
    • (犯罪被害者支援委員会に声明の発出について問い合わせたか、との質問に対して)問い合わせてはいない。学校側の安全管理が不十分であったことは声明の前提としており犯罪被害者委員会と見解が異なるものではないと考え、同委員会への意見照会は不要と考えた。

    以上の質疑応答後、字句修正に関する意見のほか、以下の意見が出された。

    • 安全管理に問題があった旨を明記していない会長声明を発出することには反対である。
    • 捜査段階であることも踏まえ、会長声明ではなく、意見書として提出すべきではないか。
       これに対し、理事者から、学校側の安全管理責任については今後も捜査・調査が行われると認識しているが、教育基本法違反の認定は、学校側の安全配慮義務の有無とは別途、憲法問題として取り上げ、現時点で会長声明を発出すべきであると考えている旨回答された。
       審議の結果、意見を踏まえ字句修正を加え、賛成多数で可決。
  2.  中小企業に関する全国一斉無料法律相談会及びセミナー「ハラスメント防止措置対策について」(仮)(7/17開催)を京都府中小企業団体中央会等と共催する件、及び同相談会の相談料を無料とする件
     髙橋宗吾副会長が提案説明。
     毎年行っているものであるが、①共催とすること、②法律相談料を無料とすること、の2点についての審議を求める旨説明された。
     審議の結果、賛成多数で可決。
  3.  上京区権利擁護支援ネットワーク会議からの「高齢者なんでも無料相談会」(9/18開催)の後援依頼の件
     山下副会長が提案説明。
     費用負担がないいわゆる名義後援であり、これまでも後援している旨説明された。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  4.  中原由理会員からの弁護士名簿登録取消請求の件
     高橋みどり副会長が提案説明。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  5.  深田哲史会員からの弁護士名簿登録取消請求の件
     高橋みどり副会長が提案説明。
     審議の結果、全員賛成で可決。
  6.  一般社団法人京都府中小企業診断協会からの「─伝統と革新の交差点─京都からはじまる事業承継イノベーション Meet up 2026」(7/3開催)への後援依頼の件
     髙橋宗吾副会長が提案説明。
     今回初めての依頼であるが、IVS(スタートアップカンファレンス)のサイドイベントとして事業承継に関するイベントを行うので、その名義後援を求められているものである旨説明された。
     審議の結果、賛成多数で可決。

《協議事項》

  1.  中長期的課題検討プロジェクトチームの中間報告書の件(6月総会議案)
     山下副会長が資料に基づき提案説明、吉田誠司京都弁護士会の中長期的課題に関するプロジェクトチーム座長が資料に基づき詳細説明。
     プロジェクトチームの設立経緯について、京都弁護士会の会計が2022年度に赤字となり、以降毎年経常赤字を記録し、収支マイナス傾向が常態化し、キャッシュアウトのリスクも発生しているため、この状態を解消し、京都弁護士会の中長期的な持続可能性を確保することを目的として設置された旨説明された。また、現在の中長期的課題検討プロジェクトチームの検討状況が報告された。
     種々、意見交換。
    • (受任事件特別会費の廃止はどのような効果があるのか、との質問に対して)納付状況の捕捉の負担が大きく、また公平性の問題もあると考えている。職員から督促を受けて納付がなされることが多いが、目に見えづらいコストが発生しているといえる。また、特別会費納入の対象相談を実施しているセンターとそうでないセンターがある。また、受任事件特別会費が弁護士法72条に違反するとの指摘もある。
    • (自治体から支払われる委託料が高額になっている自治体についても、弁護士への日当が増えないということがなぜ生じているのか、との質問に対して)委託料は自治体ごとに差がある。自治体ごとに日当を変えると担当者間に不平等感が生じるため、日当は委託料と連動させないこととしている。
  2.  2026年度 京都弁護士会人権擁護委員会アシスタントの選任の件
     谷口会長が資料に基づき提案説明、諸富 健人権擁護委員会委員長が補足説明。
     谷口会長からの趣旨の説明は以下のとおり。
     修習委員会に所属し、若手の弁護士と接する中で、人権問題への関心の薄さを感じる。基本的人権の擁護と社会正義の実現という弁護士の使命を全うするため、特に若手弁護士に、人権問題に関心を持ってほしいと考えている。京都弁護士会内の活動の担い手を確保し、活動を継続するためにどのようにすればよいかという問題意識を抱いている。
     他会でも新規登録会員を人権擁護委員会に選任している例があると複数聞き及んでおり、当会でも取り入れたいと考えた。若手弁護士の中で無関心層が広がっているように思い、無関心層を取り入れ、関心を持ってもらうために今回の提案を行った。また、このままでは人権擁護委員会の人員を確保できなくなるという危機感もあるために対策が必要であると考えた。人権擁護委員会からも、歓迎だと言われている。
     ①新規登録会員を人権擁護委員会アシスタントに選任することの当否、②①が難しい場合に、人権擁護委員会の委員の確保の方法、について協議したい。
     人権擁護委員会諸富委員長からは、同委員会は会則により定数が25名に決められ、定足数が3分の1とされているため、9名いなければ委員会が成立しないこと、実働は10人から15人であり、その人数で人権侵犯申立てを処理していること、いきなりアシスタントが調査を担当するのは難しいと考えているので、正委員とともに調査を進め、正委員がサポートすることを想定している旨の補足説明がなされた。
     以下、種々意見交換。
    • (常議員からの意見)アシスタントの選任規程はないが、委員に準じて常議員会で選任することとなっている。アシスタントができた経緯は、新規登録が4月ではなかった時代に、新規登録者が委員になれないことから、途中からでも委員会活動に参加できるようにアシスタントができたと聞いている。
    • (アシスタント選任規則の求意見が先日来ていたが、その規則案ではアシスタントの選任権が委員会にあった。今回の議題との関連性はあるのか、との質問に対する理事者回答)同じタイミングで求意見を出してしまったが、関連性はない。人権擁護委員会のアシスタントの選任機関についても、委員会にするのか、常議員会にするのか、検討する必要があるかと考えている。
    • (人権擁護委員会の定数が25名なのはなぜか、との質問に対する理事者回答)昔からだと認識している。
    • (常議員からの、委員会はそれぞれの委員会の所管事項を人権擁護と捉えて取り組んでいるのであり、人権擁護委員会だけが人権擁護を担っているわけではないと考える、との意見に対する理事者回答)そのことは否定しない。もっとも、各種の人権系委員会は人権擁護委員会から分化していったと認識しており、その根本・起点である人権擁護委員会を経験してほしいと考えた。会務の担い手不足自体は、さまざまな委員会・さまざまな単位会で問題になっていると認識しているが、まずは人権擁護委員会から解消したいと考えた。
    • (常議員からの意見)まずは人権擁護委員会の委員の確保を考える、その中で手段を考える、という段取りにすべきだったのではないか。
    • (常議員からの意見)新入会員の意見を聞かずに選任することは乱暴ではないか。新入会員に必要性を訴え、同意を取り付けるべきだったのではないか。同意を取り付ける際は、理事者だけでなく、人権擁護委員会委員が説得するということもあるのではないか。
    • (常議員からの意見)趣旨は理解するが、新規登録直後、正委員とともにとはいえ、いきなり具体的な事案を担当することで、自ら望んで委員になった場合はともかくそうでなければ、かえって人権擁護活動への消極的な印象をもつことにつながりかねないのではないか。新規会員向けの会務研修で人権擁護委員会の活動を組み込む等、他の方法があるように思う。また、新規会員ではなく、他の中堅の会員を取り込む方がよいのではないか。
    • (常議員からの意見)既存会員からランダムにアシスタントに選任することも選択肢としてありうるのではないか。
    • (常議員からの意見)自分は若手の範疇に入ると考えるが、副委員長職に就いている他、多数の委員会やPTに所属している。自分は、尊敬している弁護士に誘われたから、委員会等に所属し、活動を続けている。単に所属させれば活動するというものではなく、本当に委員会活動を続けるためには人的なつながりが重要である。いきなり登録させるより、きちんと必要性を説明し、理解を得ていくべきではないか。また、人権擁護委員会以外の委員会も人権を擁護しているものと理解している。新規登録会員だけでなく、既存の会員に声をかけるべきだと考える。
    • (常議員からの意見)昨今会員のメンタルケアの重要性も言われている中で、弁護士を始めたばかり、あるいは新しい環境に身を置いたばかりの会員に負担を負わせることは不適当ではないか。
    • (常議員からの意見)若手カンファレンスで、他会の人権擁護委員会に強制的に加入させられた弁護士と話す機会があったが、仕事を押し付けられて疲弊しているとの声があった。関わり方を間違えるとそうなってしまう。会としてどうアプローチするかは議論が必要である。
    • (常議員からの、次年度以降の継続性はどう考えているのか、どの質問に対する理事者回答)制度化しないと単年度主義になるものと理解しているので、次年度の理事者に引き継ぎはするが、実際に引き継ぐかは次年度理事者が決めるだろうと考える。制度化することも選択肢としてはあると考える。例えば新規登録者の会務研修に入れるという選択肢もあると考えている。
    • (常議員からの、若手に会務を担ってもらうことは大事であり、会務有償化などの議論も必要だと理解しているが、今回のこの議案は今後どうすると考えているのか聞きたい、との質問に対し)今日の意見を踏まえ、今後どのように進めるかは、人権擁護委員会とも相談し、検討したいと考える。
    • (常議員からの意見)やはり登録するかどうかは若手弁護士に意見を聞くべきである。手続的な公正性は確保した方がよいと考える。

《協議事項》

  1.  最近の会務状況等の報告の件
     高橋みどり副会長が資料に基づき報告。

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