《委員会レポート&今月のイベント》「貧困問題連続シンポジウム働き方の今とこれから」

労働と社会保障に関する委員会
委員長 谷 文彰

  1. 6/12(金)、労働と社会保障に関する委員会が日弁連と共催で「貧困問題連続シンポジウム 働き方の今とこれから」を開催しました。講師は毎日新聞記者の東海林智さんです。長年にわたって労働現場を取材してこられた立場から、現在の働き方の実態と今後の展望をお話し頂き、現地とオンラインで合計60名程度の参加者が耳を傾けました。
     以下、東海林さんのお話を簡単にまとめます。
  2. 連合の大企業労組を中心に賃上げが続いているが、物価上昇を踏まえると実質賃金が上向いているとまではいえない。非正規労働者や大企業以外を見ればなおさらそのようにいえる。労働者の生活水準を上げていくためには物価上昇分の賃上げを獲得しなければならない。それこそが企業利益の公正な分配である。
     非正規の賃金は「10月の最低賃金改定の際に上げている」と説明されることがあるが、それはつまり最賃レベルで働いている非正規がそれだけ多いということ。逆に、最賃が上がることで最賃以上で働く人の賃金が最賃に近づいていくという現象も起きている。非正規労働者の実情は著書「ルポ・低賃金」に詳しい。
     その際賃を決めるにあたっては生計費を基準とすべきであって、企業の支払い能力を考慮するような国は日本以外にほとんどない。生計費からすれば1800~2000円程度が妥当ではないか。
  3. 裁量労働制の拡大が狙われ、そのような文脈において「労働生産性の向上」が叫ばれるが、実は労働生産性はこの30年確実に上昇しており、それに見合うような賃金上昇が実現してこなかったことこそが問題である。ストライキ権を封印するのではなく、活用して労働運動に取り組むべきである。
     その方策として、職場で非正規労働者が組合に繋がることが難しい以上、地域での労働運動と発想を転換してはどうか。地域から声を上げていくということが、分断の時代に労働者が抗っていくためのアイディアになるかもしれない。

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