会務NEWS Vol.655

第79期司法修習生
高橋 歩花
はじめまして。79期司法修習生の高橋歩花と申します。私は現在、中村利雄法律事務所において修習を行い、平尾嘉晃先生にご指導いただいています。日々、生の実務に触れる中で、司法試験の勉強と実務との違いを強く感じています。
司法試験では、与えられた事実関係の中で法的知識や論理を用いて結論を導く力が求められます。一方、実務では、依頼者の言葉や表情、その背景にある事情まで丁寧に受け止めながら、問題の本質を探っていかなければなりません。目の前の事案に同じものは一つとしてなく、法的知識だけでは解決にたどり着けない場面も数多くあります。そのため、実務では法律を扱う力だけでなく、人を理解しようとする姿勢や経験に裏打ちされた判断力が必要であり、その難しさと奥深さを日々痛感しています。
そして、修習を通じて最も強く感じていることは、弁護士という仕事は単なる職業ではなく、社会貢献そのものであるということです。弁護士は、法律問題を解決するだけでなく、人の生活や人生そのものに関わる仕事です。ときには依頼者の人生の転機に寄り添い、その後の人生を左右する場面に立ち会うこともあります。他の職種では成し得ない形で社会に貢献できることに、この仕事の大きな意義があると感じています。
また、依頼者と真摯に向き合いながら、自らの技術を磨き続ける先生方の姿を拝見する中で、弁護士とは単なる「仕事」ではなく、一つの生き方なのではないかとも感じるようになりました。その姿はまさに職人そのものであり、私も引き続き、一つひとつの経験を大切にしながら、生の実務から多くを学び、法曹として成長してまいりたいと思います。